啓蟄
- hirofunahashi
- 3月8日
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三月五日は啓蟄。七十二候は蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)です。
土中に冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表わしています。
ふくふくと啓蟄の畑耕されはじめて土踏むをさなごの足
喜夛隆子(歌誌「ヤママユ」編集委員)
啓蟄、耕されたばかりのふかふかな畑の土。幼子はそれを素足で踏み触れて楽しんでいます。そんな我が子を暖かくそばで見ている親御さん。その感触、経験はこの子に一生思い出として残るでしょうね。初句のふくふくが土の柔らかさと暖かさまでをみごとに表現していて、すばらしい一首と感じました。
耕された畑から作物が実り人々の食卓を潤します。大地の恵みと人間が直接肌で触れ合うことは、現代人、特に都会で暮らす人間、にとって縁遠い経験となってしまったのではないでしょうか。自分も裸足になって土を踏んでみたくなりました。

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